マエムラボ Work & Nature Log

労務管理の実務相談で役立つ基本書を揃えること

いわゆる労働相談をはじめ、人事労務の取り扱い範囲は広範です。そのすべてをマスターするのは、社労士試験だけで十分とは言えない気も・・。
そんなとき、特に労務管理の実務相談において、頼りになる基本書を紹介します。

天文館公園のイルミネーション

ますます複雑になる労務管理の実務

企業内の日常活動のうちでも、労務面については比較的後回しになりがち・・。
コトの善悪はともかく、会社という組織の持つ性格から言って、 また環境や経営が厳しいときほどその傾向は強くなるでしょう。

自然と問題が大きくなってから表面化することが多く、すでに解決の糸口も見えずにこじれているケースも多いのではないでしょうか…。
そうした背景もあり、労務管理の実務はますます複雑化・高度化していると言えます。

管理人自身も労働トラブルの現場に過去携わっており、通り一遍の知識だけでは太刀打ちができないことを身を持って感じました…。
解決プロセスは様々あるにせよ、まずは正確な知識が前提になることを痛感したのです。

 

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実務と労働トラブル解決にも役立つ基本書とは?

何をもって基本書とするかは人それぞれかもしれませんが、正確な知識という観点から、管理人が主に相談業務で使っていたものを中心に3つ紹介します。
(※最新版または代替するものの追記あり。)

『労働基準法・コンメンタール 』(労務行政)

平成22年版 労働基準法 上巻(労働法コンメンタールNo.3)
厚生労働省労働基準局
労務行政
売り上げランキング: 37,756

これを取り上げるべきかなんとなく迷いましたが、あらためて基本書として紹介します。(*「コンメンタール」とは、法律の逐条解説を書籍化したもの。)
労働基準法の基本条文の逐条解説から通達等で示された行政解釈まで、詳細に解説されています。一部、判例紹介『労働法』(菅野和夫著:労働法の代表的学者)の引用もあり、読み込むほどに発見があります。
(※上・下巻に分冊されており、2冊セットでの購入が必要です。)

〔R4.1追記〕
2022年1月に最新版が発行されたようです。

令和3年版 労働基準法 上巻 (労働法コンメンタールNo.3)
待望の改訂版
「働き方改革関連法」による改正、
賃金請求権の消滅時効期間の延長等に対応
(上・下巻で全条分をカバーするようになっています。)

 

〔▼R2.3追記:最新版発刊までの代替本〕

第2版 実務コンメンタール労働基準法・労働契約法
労務行政 (2020-03-12)
売り上げランキング: 69,292

 

『労働時間・休日・休暇の法律実務』(中央経済社)

新しい労使関係のための労働時間・休日・休暇の法律実務
安西 愈
中央経済社
売り上げランキング: 22,987

社労士になり、インターネットを始めた頃に知った本です。安西弁護士は言うまでもなく労働分野の代表的な弁護士であり、社労士にとってもバイブル的な書です。(*昨年末に、地元の社労士会でその安西先生の生講義を受講できました!)
内容は、タイトルの通り企業等の現場で判断(適用等)に迷いがちな「労働時間・休日・休暇」についての法令解説が中心。上記のコンメンタールだけでは理解が難しいところも解説されていて、細かい点まで納得できます。(→個人的には、変形労働時間制の時間外の解釈が興味深いでした…)

 

『新・労働法実務相談』(労務行政)

新版 新・労働法実務相談(第2版) (労政時報選書)
労務行政
売り上げランキング: 247,772

こちらは、専門誌(月2回の定期購読のみ)である『労務時報』に連載された「相談室Q&A」から、労働法関係を選んで再編集されたもの。結構ボリュームがあり、執筆陣には弁護士、大学教授、社労士等が名を連ねます。(→労務行政サイトへのリンク
労働法のQ&A集としてはおそらく一番充実していると思われ、実際に相談されるレアなケース・事例も掲載されていて助かります。マニアック?な質問もある程度カバーできるでしょう…。(*以前は厚労省監修とありましたが……)

〔▼R2.1追記:最新版が出ました!〕

第3版 新版 新・労働法実務相談 (労政時報選書)
労務行政 (2020-01-16)
売り上げランキング: 49,144

 

イザというときのための基本書(電子化も…)

今回紹介した3冊は専門書らしくそれなりに高価ですし、購入するには躊躇するかもしれません・・。その際は、大きな書店・図書館等で閲覧して検討することも良いでしょう。

ともかく、イザというときこうした基本書があると心強いことは確かで、できる限り手元に置いておくことがお勧め・・。もっと簡便な(→ほとんどは企業向け)の市販本もあるものの、長く使えるのはやはりスタンダードな基本書と言えるかと……

また、最近ではこうした基本書の内容も電子化(Webデータベース化等)が進んでいて、そうした選択肢もあり得ますね…。確認すると、労務行政の「労働法ナビ」ではそうしたサービスがあるようです。(→追記:別記事にしましたが、その後終了…。)

¨¨

インターネット時代になって、今回話題にした専門知識もある程度無料で入手可能です。しかし、無料の限界というか、やはりきちっとしたレファレンスは必要かなと・・。
私自身が相談実務で役立った書籍をまとめてみたので、ほぼ社労士向けなのかも。。。
もちろん、企業内の人事労務担当者も(実務面で)参考にしていただければと……

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ところで、管理人自身はまだ書籍派?なので、最後に触れた電子データ化を検討するべきタイミングかもしれません・・。回し者ではありませんが……
(*写真は、天文館の特設イルミネーションと1月末降った大雪時の近所の様子。)

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