「解雇」を行う前に抑えるべき3つのポイント

労務関係のトラブル相談の中で、従来から件数が多いのが解雇関係です・・。
退職まわりの対応は難しいですし、さらに難しい解雇の基礎知識を簡単にまとめます。

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桜島赤水「叫びの肖像」(本文とは無関係です)

そもそも「解雇」はできるのか?

『働き方改革』が話題の中心になっていますが、ベーシックな労務管理も当然重要です。そうした情報が大量に世の中に出回るのと比例して、いろんな相談?も増える可能性さえありますし・・。

今回取り上げる「解雇」は、全国の労働局の相談統計のなかでも「いじめ・嫌がらせ」に次いで多い相談になっています 。
解雇は、事業主からの一方的な通告によって職を失うと言う、労働者の生活等にとって最も過酷なものという面からも当然でしょう。

今さらですが、ネットの普及等に伴ってそうした解雇関係の情報も多く出回っています。そもそも、どのような場合に解雇を行い、また行えるのかについてその基本を再確認していきましょう。

〔関連過去記事〕




解雇前に注意すべき3つのポイント

1.解雇する理由は(客観的・合理的に)妥当か?

解雇は事業主側から一方的に行うものです。ドライに表現すれば、事業を営む主体(事業主)として、その労働力を受け取る価値を見出せないことが理由となります。

具体的には、次のような場合が考えられます(就業規則の解雇理由も重なります) 。

  1. 勤務態度の不良等
  2. 業務能力の不足等
  3. 病気等によるもの
  4. 本人重責のもの( 懲戒解雇の代替も)
  5. 経営不振等によるリストラ

(参考リンク:「労働問題弁護士ナビサイト記事

2.解雇を避ける改善の努力はされているか?

上記のような理由で解雇が行われるわけですが、理由が発生したからといって当然に解雇が有効になるわけではありません。いわゆる、不当解雇とされる可能性があるからです。

法律上で言うと、解雇は「正当(客観的・合理的)な理由がないと無効である」というルールが規定されており、実務上では解雇を回避するような努力が求められるのです 。

その回避努力として、問題行為等に対してこれまで注意・指導を尽くしているか、または解雇以前に数回の懲戒処分を行っているか等が問われます。

3.最終的に解雇する場合の手続等が妥当か?

上記のような努力を経てもなお解雇が必要な場合、最終的に解雇を実行します。その際の解雇手続きが、適法かつ適正に行われることも重要になります

例えば、解雇する理由が十分あるからといって、解雇予告(または解雇予告手当の支払)を行わないことは、適正な手続きとは言えないのです 。(※ただし、懲戒解雇が有効で例外となる場合を除きます。)
その他、いわゆる経営不振等によるリストラ等では、それ相応の段階的な手続きが求められるでしょう。

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本人意思と事業運営上のバランス

解雇前に注意すべきポイントを大きく三つに分けてあげました。要するにいつでも自由に解雇することはできないし、理由があっても相当ハードルが高いものになっています。
また、これらはどんな会社でも一律に適用されルールですが、実際の紛争解決の現場では諸事情が考慮されることは十分あり得ます。

例えば、それなりの規模の会社では、上記を厳格に検討して進めることが求められる一方、中小・零細規模の事業所は各判断基準が柔軟になる可能性があるでしょう。
特に人員の限られる小規模な会社では、代替要員確保のためや信頼関係の崩壊など、雇用を継続することが困難な理由も十分その判断材料になり得るのです。

冒頭に参照したブログ記事のように、最終的に解雇という方法をとるのか、その折衷案的な方法をとるのかを含め、臨機応変に考えるべきでしょう。
とりわけ小規模な会社は諸事情を踏まえ、本人意思と事業運営のバランスを取りながら、話し合いで解決することが最も妥当な方法かもしれません 。

実際に手続きを進める際にも、金銭的問題(解雇予告手当、一定程度の賃金保障など)、また失業保険の有無や年休の買取など、トータルで話し合う必要も出てきます。

いずれにしても、上記で挙げたものを検討した上で、慎重かつ冷静な対応がお勧めです。解雇が無いことが一番ですが、もしもの時のご参考になればと……

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2004年桜島オールナイトコンサート会場跡

〔あとがき〕
今週後半になって、急に日中の気温も下がってきました。いきなり冬になるよりはいいのですが、やはり身体は着いていくのが大変・・。
ところで、10周年記念としてのブログテーマも、約2カ月たったところでチェンジ・・。いろいろ検討もしましたが、結局トータルの使い易さを重視して定番の「Simplicity」にしています。

近頃の Good & New
・天降川焼(湯呑&カップ)