人事労務関係の仕事の中で、給与計算は大きな一部分を占めます。
そんな給与計算を、初めて手掛ける場合に考えたいことをまとめます。
手書きの給与計算はダメなのか?
社労士業務は労働社会保険手続がメインですが、実務上で関連深いのが給与計算です。どんな会社でも従業員を雇っていれば毎月行いますし、代表者一人でも法人であれば必要です。
実際には役員だけであればそれほど複雑ではありませんが、従業員が数人以上になればそれなりに手がかかるものです。特に手書き計算は負担が大きいので、今は少数派でしょう。
まあ手書きがダメとまでは言えないですし、実際に現在もそうしている事業所はあります。
しかし、次にあげるような理由で、PC上での計算処理がおススメです。(※PC自体を持っていない等は、ここでは対象外とします)
給与計算事始めに考えたいこと
PCで計算するメリット
まず、手書きより、PC上で計算するメリットはどの程度あるか考えてみます。通常、給与計算の手順としては次のようなプロセスがあります。
① 出勤簿(タイムカード集計)等確定
↓
② ①データを各人別に記入(明細等)
↓
③ ②による総支給額・控除項目等記入
↓
④ 控除項目を差引して差引支給額計算
↓
⑤ 現金支給または銀行振込支払の準備
簡単に言うと、上記のいずれもそれぞれ金額を入れて計算するというプロセスが必要です。ここでの最大のPC計算のメリットは、計算の簡単さはもとより、本人に渡す明細書や会社用の給与台帳等がプリントアウトできることでしょう。
さらに、PC上で入力(自動計算)することで、効率面も自ずと変わってきます。役員2、3人分ならともかく、従業員が数名いれば十分に時間短縮効果があると言えます。
エクセルか給与ソフトか?
PC上で給与計算をするには、何かしらのソフトが必要です。特に社労士が給与計算を受託する場合、かなり前(ウィンドウズ以前)から給与計算ソフトを導入していました。従業員数が多いほど自動計算処理は必須で、現在も汎用または独自開発の給与計算ソフトを使っているはずです。
しかし、小規模の会社等が自社で行う場合、エクセルなどのいわゆる表計算ソフトで間に合わせることも可能です。とりあえず、数人程度までのシンプルな計算は一応エクセルで代用できるかなというイメージです(専用ソフトほどの機能はなく、スキルも必要ですが)。
ローカルかクラウド化か?
ローカルとは、自社(自分)のPC内だけでデータ等を扱う環境のことです。クラウド化はここ数年急激に広がったもので、ネット上(サーバー)でデータ管理するサービスと言えるでしょう。
ローカル内の管理であれば、外部にデータ等が漏れる心配がないという安心感があります。一方、最新のクラウドサービスであれば、データ消失に備えたバックアップやPC等に依存せず最適環境が保たれる点がメリットです。
現在では、どちらかと言うとクラウドの方がコストを含めて優位性があるでしょう。
PC・自前計算を基本としつつ……
私の場合、これまで給与計算を主要メニューとしてこなかったこともあり、自前での計算を推奨してきました。同時にフリーソフトやクラウドソフト等の提供はしていますが・・・
もっとも、あくまで私自身がそうしているだけであって、他人がどうするかはあくまで選択だと思っています。その意味で、社労士のなかでは少数派になるのかもしれません…。
また、手書き計算を否定はしませんが、やはり基本的にはPCでの計算を奨める立場です。上記のようなメリットがあるし、ソフト上で年間集計(賃金台帳)が出せることなどが主な理由です。
結論として、当初はPCで計算することを最低限として取り組まれたら良いかと・・・
そして、できれば早期にフリーでも良いので給与ソフトを導入し、慣れてきたらクラウド化も検討してみましょう・・。(▼弊所でもクラウド上の給与計算ソフトを提供しています。)
〔あとがき〕
今回、給与計算の具体的な知識というより、PCやソフト利用についてまとめました。実務上細かい点はいろいろあるので、社労士のサポートを含めいずれ記事化したいと思います。
ところで大型連休に入り、少しブログのテコ入れもしようかと思っています。
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