久しぶりというか珍しく(^_^)、社労士(社会保険労務士)業務に関する投稿です。
今回は、個人事業主になった際に疑問になる社会保険制度についてまとめます。初心者にもわかるように、ごく一般的なケースが中心になります・・。
最近、県内でも社労士の開業者が結構な勢いで増えています。管理人が開業した十数年前に比べて、既に2倍以上の登録者になる勢い・・・
士業の開業のし易さを割り引いても、いわゆる個人事業主の独立・起業が増えている一例と言えます。
「起業」と一言でいっても、社労士のような士業を個人で始めるようなごく小規模なものから、ある程度の規模で法人としてスタートするケースまで色々です。 まあ大多数は、ごく小規模な個人事業主として始めるケースが多いでしょうが・・。
その際に、自らの社会保険制度がどうなるかは気になるところでしょう…。
結論から言って、個人事業主の加入制度については、一般に国民健康保険*1と国民年金という自営業向けのものになります。つまり、会社勤めの時のような会社名の入った保険証や厚生年金ではなくなるのです。
しかし、例外として法人化*2していれば、自分一人でもいわゆる社会保険(健康保険*3と厚生年金保険)への加入が法律上の義務となります。(つまり、会社員扱いとなる…)
具体的に脱サラしたら場合はどうなるかというと、これまでの健康保険(以下「健保」)から強制的に国民健康保険(「国保:こくほ」)に加入すると同時に、厚生年金から国民年金*4に切り替わるわけです。
一部、定年後の高齢者は年金受給等が絡んで少々複雑ですが、原則は一緒です。
この時、健保と年金は基本的にセットですので、両方が同時に切り替わるのが原則です。 例外としては会社の退職時に健康保険の任意継続加入を申し込んだ場合で、「健康保険(任継)+国民年金」という相乗りになります。
退職後の保険料の比較をする際、良く健保のみ(2倍で)見てしまうことがありますが、別途に国民年金の保険料も必要なのです。
他に相乗りというと、レアケースですが国保組合があります。正式には国民健康保険組合といい、自営業の団体が設立した組合が運営する国保ですね。 例えば、医師・歯科医師や弁護士などの職種ごとに設けられていますが、この国保組合に加入すると「国保組合+厚生年金」という相乗りパターン*5があり得ます。
ところで、起業した個人事業主本人については、基本的に従業員ではなく、まさに「事業主」になります。したがって、会社勤めの時のような雇用保険や労災保険は基本的に加入できないことになります。
逆に、従業員を雇った場合は、自分以外には加入させる必要が出てきます。(※事業主の同居の親族だけの場合は、原則として加入できません。)
例えば、パート・アルバイト等が一人でもいるときは労災保険へ加入する必要がある上、週20時間・31日以上雇用の見込がある従業員は雇用保険への加入も必要です。
上記のように事業主は労災保険・雇用保険に加入できないのが原則ですが、少し朗報(?、例外)があります。
あくまで従業員が一人以上居る場合に限られますが、労災保険だけは事業主も特別に加入できる制度があるのです。いわゆる特別加入という制度で、労働保険事務組合という商工会や事業者団体の窓口を通して加入することが条件になります。
〔参考記事〕
http://blog.mysyaroushi.com/roudouhoken-jimukumiai-merit/
今回、個人事業主として起業した際の保険制度について概略をまとめてみました。後半は、従業員を雇った場合まで補足しましたので、だいぶ社労士らしい(笑)投稿になったのではないかと・・。
冗談はともかく、基本的な制度加入は説明できたと思います。とにかく労働社会保険制度は複雑ですべてを網羅できませんが、初心者の理解の一助になればと……
社労士ネタは久しぶりと言いながら、実はこれまで実務面を記事にすることに迷いがあり書いていませんでした・・。
今回、個人事業主という視点で取り上げると割合とまとめやすかったので、今後こうした切り口でトライしたいと思います。また、個人事業主についての記事はこれまでもあり、一部をフリーランスという表現に変えたりして、カテゴリー化する予定です。
近頃の関心ごと
・ダノンヨーグルト
・タイムマネジメント
・トレーニング
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