社会保険の算定基礎届時に注意したい、月額変更との関係と保険料の適用等。

当ブログでは珍しく(?)、社会保険の実務に関する投稿を……
7月は、「算定基礎届」という手続をする時期です。すでに提出済みかもしれませんが、事後対応を含め分かりにくい部分をまとめます。

算定届提出の前に準備することは?

毎年この時期に社会保険の保険料を見直す手続が、算定基礎届です(「定時決定」とも呼ばれ、年1回の給与額申告制度のようなもの)。 見直すべき保険料(健康保険・厚生年金)は、加入する各人ごとの平均給与額を求めて決められます

計算の方法は、制度上4,5,6月に支払われた3ヵ月の給与(総支給額)の平均になりますが、ここで注意が必要な点があります。 まさに、それぞれ実際に支払った月で見るという点です。例えば、毎月末締・翌月支払いの会社では、3,4,5月分がその対象となるのです。

その他、入社や退職等(7月1日現在の加入者が届出対象となるため。)の確認や、欠勤者やパート加入者等の勤務日数のチェック(原則として月17日以上を対象とする他、パート等の場合は15日以上の特例有り。)も忘れず行いましょう。

〔※直近の詳細は、以下の参考サイトをご確認ください。〕
算定基礎届の提出|日本年金機構

URL:http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20141104-01.html




昇給時期に重なると月変の可能性も…

ところで、4月から昇給する会社も多いかと思いますが、月額変更届(略して「月変:げっぺん」、また「随時改定」とも言われる。)に該当しないか算定届前にチェックすることになります。 給与がいわゆる当月支払いの場合、7月月変(算定対象外となる。翌月支払では8月月変予定者。)となる可能性が高いからです。

月額変更とは、昇給等で固定的な賃金の変動があった場合に、変更後3ヵ月間で社会保険料(等級表による2等級以上の変動で該当)の変更をかける仕組みのこと。つまり社会保険料は、定期的な算定とこの月変で保険料を見直すことになっているのです。

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(図は日本年金機構HP内の解説より)

この場合には、算定届より前に7月の月額変更届を提出できる(届出は変更月から4ヵ月目に行う)はずなので、早急にこの手続きをします。また、同様に8月・9月の月変であっても、算定届時に把握して記入する必要があります。(*算定時点で、8月・9月までの月変見込者を把握します。)

〔※制度の詳細は、以下の参考サイトをご確認ください。〕
随時改定|日本年金機構

URL:http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/hoshu/20150515-02.html

月変と算定の保険料適用等にも注意しよう

月変と算定の適用関係がやや複雑なので、さらに実務面での注意点を補足しましょう。
算定基礎届については、毎年、定期的に日本年金機構から事前に届出用紙一式が送られてきます。しかし、月額変更届に関しては、自社で把握して自主的に届出する必要があるのです。

このため、算定は忘れることは少なくても月変の方は忘れてしまいがちです。月変制度自体が、「随時」に行う決まりなので仕方ないのですが・・・
さらに、保険料の適用が少々わかりにくいかもしれません。算定基礎届で決定される保険料は、2ヵ月ほど間を置き9月度からの適用になります。

上記の7月~9月の月変対象者と全員が対象となる算定決定との関係については、原則として「月変」の決定が優先して適用されます。
つまり、7月月変者はもちろん、8月・9月の月変予定者についても、実際の保険料はほぼ月変で決まり、算定届はある意味提出するだけになるのです。(*算定の届出自体も原則必要です。)

まあ、予定はあくまで予定であって、月変に該当しなかったら(平均給与額が2等級以上変動しなかったとき等)、原則通り算定が適用になることもあり得ますが・・。

算定届の注意点を月変との関係をメインに説明してみました。実務の初心者は見逃しやすい点なので、ご参考にしていただければと……

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ベーシックな社労士業務ですが、主に企業内等で実務を担当する初心者向けにまとめました。 うまく解説できていたら幸いです。今後も、実務のテーマは増やして行きたいところです。
(*写真は、霧島市溝辺町付近の田園風景。奥に見えるのは霧島山系。)

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