マエムラボ Work & Nature Log

労働社会保険という仕事~年間の流れを把握する

労務関係の仕事分野で、「労働社会保険」という言い方があります・・。
いわゆる手続き業務を中心に、定例的な年間の仕事の流れとしてまとめてみます。

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郡山の甲突川の流れ

労働社会保険の仕事の範囲とは

はじめに、「労働社会保険」とは何かをあらためて確認します。
一応の語源は、資格制度が定められた社会保険労務士法にある、「労働社会保険諸法令」というものです。

具体的には、第2条で「別表第一に掲げる労働及び社会保険に関する法令」の略称(または定義?)として出てくるのです。
その「別表第一」には、労働基準法はじめ労働関係法令、雇用関係法令、そして社会保険に関する各種法令が列挙されています。

〔参考〕

つまり、ことばから連想する「労働保険+社会保険」という範囲にとどまらず、労働関係や労災・雇用保険、また健康保険・年金制度までを網羅しているのです。
今回のまとめでの「労働社会保険」は、その前提ですすめていきます…。

年間の流れで見る定例的な業務

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都城島津家内にて(応接室イメージ)

労働社会保険の範囲は広いとは言え、もちろんそのすべてが毎日発生するわけではありません。ここでは、毎年の主な業務をあげ、1年(春夏秋冬順)の流れとしてまとめます。

1.36協定届・変形労働時間制協定届(3~4月、更新時期)

36協定とは、「時間外労働・休日労働に関する協定届」の略称で、従業員代表との協定を労働基準監督署へ届け出るものです。 内容は労使で合意した時間外労働や休日労働の限度時間等を、実質上毎年1回更新する手続きとなります。
一方、変形労働時間制の協定届は1年単位の変形労働時間制を採用する場合に必要な手続で、こちらもその勤務態様を労使で協定し、労働基準監督署へ届け出ることになります。
どちらも、年度替わりの4月1日が更新時期になる事業所が多く、3月から4月の年度替わりに届出が集中しがちです。

2.労働保険の年度更新(6~7月、労災保険・雇用保険)

労働保険とは、労災保険雇用保険を合わせたものと言えます。正確には労働保険徴収法という法律に基づき、両保険の保険料1年分を申告・納付(例外有)する仕組みです。
年度更新というのは、年度始めに賃金の概算額で申告した保険料を、実際に年度内に支払った賃金額で確定計算し、保険料の過不足を毎年調整(更新)していくものです。
一般の事業所(労働保険事務組合委託は別途)は毎年5月頃に労働局(厚生労働省の出先機関)から申告書一式が届き、7月10日までに手続等をします。

3.社会保険の算定届(7月~、健康保険・厚生年金保険)

ことばの説明が続きますが、労務関係での社会保険健康保険厚生年金保険をまとめたものです。(一方、広義の社会保険、特に税法関係では雇用保険等まで含みます…)
社会保険も労働保険と同様に年度ごとの保険料確定の手続が必要で、算定基礎届(略称「算定届」)と言われます。
内容としては、原則4、5、6月に支払われた給与の平均を計算し、年間の保険料等級を決めるものです(「標準報酬等級」の見直し、これを「定時決定」とも言う)。
届出先の日本年金機構(旧社会保険庁)から毎年6月頃に手続書類が届き、7月中頃に届出します。

4.社会保険の賞与支払届(7・8月の賞与支給後、その都度)

社会保険の対象者(被保険者)に限りますが、賞与(いわゆるボーナス)の支払の都度、「賞与支払届」を提出する必要があります。月々の保険料とは別途に、賞与にも社会保険料がかかるからです。
届出書類は、日本年金機構から賞与予定月前に送付されますが、事前に予定月を届け出ていない場合でも自主的に行うことになります。

5.算定届の結果通知(8~9月、給与計算の保険料変更等)

前述の算定届で決定された新しい保険料等級の通知が、8月頃までに送付されてきます。
この新保険料は、その年の9月分から適用になり、翌月10月支払い(本人負担および事業所の支払額)から反映されることになります。
実務上は、給与計算で従業員から控除する保険料の変更と連絡等が必要です。

6.社会保険の賞与支払届(12月他賞与支給時、その都度)

上記の夏の賞与支給時の内容が、時期を除いて冬や臨時の賞与も同様になります。

事前に把握して準備するために

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月山日和城にて(錦の御旗)

今回このような記事をまとめたのは、年間に発生する定例的な業務を一通り把握しておくため・・。事前にわかっていれば、その準備(「心の…」を含む、「錦の御旗」にも…?)をしておくことができるでしょうから。

事業所にとってもやはり年度始めはいろいろ多忙でしょうし、その後すぐに年間賃金合計の集計だったり、各手続きを期限内に作成して届け出るという業務が集中します。
事前にできる対処や事務的対応をすることで、こうした業務負担を和らげることができるはずです。

社労士業界でも、この年度初めから年度更新~算定届時期が一番の繁忙期となります…。
なんといっても、すべての事業所でいっせいに手続きが発生するのはこの時季以外にほぼないでしょうから・・。

‥‥

今回のまとめはどうしても社労士業界事情に近く、事業所での関連業務とのつながりまでは言及できず・・。
ひと通り、労働社会保険の年間の流れを把握し、事前の準備や業務の改善につなげていただければと……

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日本丸(鹿児島本港北埠頭寄港時に)

〔あとがき〕
桜の季節がやってきましたが、まだまだ世情はいろいろと重苦しい状況・・。
新年度以降新しい関わりも増えそうで、その前に本文のように準備をすすめようかと……

 

近頃のGood & New
・Biscats


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