【初心者向】労災保険の手続実務の基本と注意点

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先日も記事にした労災保険実務シリーズ(?)の2回目です。
今回は、具体的な労災保険の手続に関して、簡単なようで間違いやすい実務知識についてまとめてみます。

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*イメージです。(マンション建築現場より)

基本的な流れを把握するために

前回、災害が発生した際の初動対応のポイントをまとめましたが、今回は具体的な手続等や書類の流れについてです。
ある程度これを説明した方が分かりやすいでしょうし、全体像を把握できるかと・・・

例えば、一般に「労災」と言われる業務上災害で、職場でケガをして病院等で治療を受けるケースを見てみましょう

1.災害発生連絡(事故調査等:会社・本人等)

2.病院等で治療(書類準備:会社または社労士)

3.労災5号提出病院等へ:窓口、本人負担なし)

4.労働基準監督署へ回送(病院経由、書類審査等)

5.病院等へ医療費支払い(労災保険支払機関より)

以上が基本的な流れになりますが、ポイントは労災5号様式はある意味で保険証の代わりになり、しかも本人負担はゼロになるということです。
逆に、本人の健康保険証は使えない(病院側も労災は受付しない)ということに注意が必要です。

〔前回の関連記事〕




場合によって異なる書類の流れも…

代表的な流れから説明しましたが、場合によっては上記とは違う書類の流れもあります。同じ治療費でもいったんは病院等に現金で支払い、後日に労災保険から本人へ払い戻しをするという流れ・・・
いわゆる、労災指定病院でなかった(労災の取扱いをしなかった)ケースです。

1.災害発生連絡(事故調査等:会社・本人等)

2.病院等で治療(診療費等:一旦は現金支払

3.労災7号準備(書類作成:病院等で証明貰い

4.労働基準監督署へ請求(領収添付、書類審査等)

5.本人へ全額払い戻し(労災保険・管轄労働局より)

7号様式については、他にも一部の費用請求や骨折などで治療用装具をつけた場合など、払い戻し分として利用することがあります。

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書類様式の違いと関連性を整理把握

労災様式5号や7号のケースをまとめましたが、この様式選択には区分けがあります。
それは、「業務災害」か「通勤災害」かという区分けで、それぞれ請求内容は全く同じにもかかわらず書類の様式が別物になるのです。

次のように、業務災害と通勤災害別に様式が対応してます。(※主な書類のみです)

業災) →  (通災) ・・・(主な機能)

・5号 → 16号の3・・・病院等の治療代

・6号 → 16号の4・・・病院等の変更時

・7号 → 16号の5・・・治療費等の払い戻し

・8号 → 16号の6・・・休業(補償)給付請求

ここで、「労災」と「通災」の選択を間違うとかなり悲惨です・・。

併せてどのような時にどの書類が必要かも基本は同じなのですが、種類が多いため相互の関連が紛らわしいケースがあります。
例えば7号(16号の5)に数種類の様式があったり、休業等の証明料のためだけに5号(16号の3)を使うケースがあったりしますし・・・

また、8号こと休業補償給付請求書を提出する場合には、併せて安全衛生法上の「労働者死傷病報告」(安衛様式23号、休業4日以上の場合)も届出の必要がありますね…。(→本来は別の届出だが、休業補償の請求書に提出日の記入欄もある…)

まだまだ気をつけるべき点はあるでしょうが、初心者向けの実務ポイントということで、これぐらいにします。
前回と今回の記事が、少しでも労災の実務担当者のお役に立てればと……

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〔あとがき〕
今回の記事は3月中に投稿予定でした。理由は業界の新人研修を担当したばかりで、書きやすいタイミングと思ったから・・・結果として4月にずれ込み、写真のとおり桜の開花と同時になりました…。

(*今回の写真は、市内や実家近くの桜のスポットより。)

近頃の関心ごと
・早馬公園(桜)

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