2015年頃を境にパラダイム・チェンジ(シフト)が起こるという、ある未来予測がありました…。実際に2017年現在、その表れと思えることが顕在化しています・・。
今回は、私が仕事としている人事労務分野で感じることをまとめます。
最近の人事労務の流れを見てみると…
まず、
~パラダイムシフト(英: paradigm shift)とは、その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化することをいう。パラダイムチェンジともいう。 ( Wikipedia より)
とのこと。
そこで、ここ10年ぐらいの人事労務分野で取りあげられた話題を見ると…
- メンタルヘルス(うつ病増加と就労等)
- サービス残業(残業代削減、時間管理)
- 非正規雇用問題(派遣切り、格差問題)
- ワーク・ライフ・バランス(就労人口)
- 長時間労働(業務改善、ブラック企業)
- 過労自殺問題(「電通過労死事件」)
- 働き方改革(「同一労働同一賃金」他)
- 大手の残業代不払(ヤマト運輸他)
こうしたキーワードだけを並べても、時代の変化を象徴しています。失われた10年(20年?)と言われるバブル期以降の経済の停滞を反映している部分もあるでしょう…。
これらは世間一般と言うか、社労士や中小企業の現場にも無関係ではないはず・・。
特にここ最近感じるのは、従来からある問題を含めて真正面に社会問題化され、有名企業でさえ矢面に立つという時代の空気の変化です。
まさにパラダイム・チェンジする現状
例えば、メンタルヘルスは今や当たり前の人事の課題になりました。当初は誤解・偏見も多かったのですが、減らないうつ病と共に理解が進み、病者の対応・職場復帰から組織の改善まで対策される時代になっています。(→法改正によるストレスチェックの義務化も後押ししました…)
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さらに、ワーク・ライフ・バランスなどもなかなか理解が進まないテーマでした。私自身も仕事で関わってから理解した面もありますが、次第に時代が追い着き、次の話題にする国の施策も相まって普通に語られる言葉になっています。
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そして、国が積極的に推進する『働き方改革』も本格的に動き出しています…。主な取り組みは、「同一労働同一賃金」と言われる非正規労働者の待遇問題、そして長時間労働の抑制に向けた「労働時間の上限規制」です。
積年の課題もひっくるめて推し進める勢いは、まさに時代の転換期と言えるでしょう…。
これまでの発想を見直す時が来た…?
こうした流れをニュースや業界の話題として語ってはいても、自らのこととしてなかなかピンと来ないものです…。自分のことは見えにくく、問題意識が麻痺しがちですし……
何が一番難しいかというと、これまでの価値観を転換できないこと。知識として知ってはいても、普段の思考や行動はこれまでの延長線上でしか発想できないことが多いのです。
「これまでヒーローだった人が、一夜にして罪人になるかもしれない…」という、「パラダイム・チェンジ」の危機感をどれだけ持つか…?
そうしたことを真剣に考えざるを得ないし、気づくことが大事だと強く感じるのです。
最後は少々重たい感じになりましたが、こうした動向を「対岸の火事」としてではなく、どれだけ自らの動きにポジティブに活かしていくかが大事ですね…。
私自身、いろんな意味で「他人事ではない」という感覚を持って臨みたいところです。
〔あとがき〕
電子申請の普及も業界的にはパラダイム・チェンジの一つ…。先日、業界での担当を終えましたが、時代の流れは誰にも止めようがない気がしています・・。
最近、作家の北方謙三さんが言っていた「年を取って最悪なことは、若い時の記憶が消えないこと…」(某新聞コラム上)というのが沁みました……。
(*写真は、連休中に久々に訪問した人吉市内の風景より。)
近頃の新しごと
・わが家(姶良)