退職後に行ういわゆる失業保険の手続きには、「離職票」という書類が必要です…。
今回は会社の立場で、離職票を交付するとき最低限確認しておきたい知識をまとめます。
目次
雇用保険に加入している従業員に退職者が出ると、当然?ですが事業所は届出(被保険者資格喪失届)を出します。提出先は、事業所を管轄するハローワーク(公共職業安定所)の窓口になります。
まず、入社手続(資格取得届)時に交付された「資格喪失届」用紙に内容を記入します。さらに、通常これと同時に「離職票」用の記入書類(用紙はハローワークにあり)を別途に作成します。
この書類には勤務期間や賃金額の実績・退職理由を記入し、問題なければ窓口で処理してもらい正式な「離職票」(本人に交付する書類)が出来上がります。
この際、本人への交付分として「離職されたみなさまへ」パンフレットも添付されます。
実際にはこのパンフレットだけでなく、会社独自の退職者向けの案内を渡す場合も多いでしょう。ここでは、その内容と重なるであろう、パンフレットの中で使われる雇用保険の主な用語について独自に補足しながら説明します。
求職(きゅうしょく)とは文字通り職を求める意味であり、雇用保険の正式な用語です。上記の離職(りしょく、職を離れる=失業)の次の段階とも言えます。
求職申込とはハローワークで職(仕事)を探す手続のことであり、具体的には退職日以降に会社から交付された離職票の提出と同時に行います。求職者給付は、その手続きをした者に対して支払われる給付(通常はお金)という事ですね。ちなみに、上記パンフレットの求職者給付の解説中に、“最も代表的な「基本手当」(いわゆる失業手当)”と記されています。
次はその失業手当を受けるときの用語について…。まず、給付日数とは、まさに失業保険を受けられる日数であり、実際に受ける日額を掛けて失業保険の額が決まるものです。
具体的には、良く見る次の一覧表で示されます。この時、後述する離職理由によって差異があるのはご覧のとおりです。
受給期間とは、上記の給付日数を実際の「失業の認定」(4週に1回ごと認定日がある)により受けられる期間のことであり、通常は退職(離職)日の翌日から1年間となります。
これがあるため、失業保険の手続きは早めにした方が安心です。実質的な制限期間というか、掛けた保険料が返ってくる積立等の制度ではないのに注意が必要ですね。
離職理由は、退職した理由のことであり、区分としては上記表にあるように「定年、期間満了や自己都合」と「特定受給資格者・特定理由離職者」が代表的な区分です。
このとき注意が必要なのが「解雇」の取り扱いで、通常解雇(原則として会社都合の一方的なもの)と懲戒解雇(本人に重責があって懲戒処分された場合)では異なることです。同じ解雇でも、前者は「会社都合」なので特定受給資格者になるのに対し、後者はあくまで「自己都合」の区分になるのです。
この離職理由に関しては制度上でも差が大きくなっており、会社と本人の間で合意がないとトラブルになるケースもあります。
給付制限とは、上述の「自己都合」退職の場合に、退職日から失業手当を受けるまで一定期間待たされるものです。通常は、手続(求職申込)をしてから7日間+3ヵ月間(R2.10~制限付きで2ヵ月)は給付が制限されることになります。
自らの意思で辞めたのだから、過保護?はしないという事でしょうか・・。逆に会社都合になれば7日間の待機後すぐに受給できます(しかも上記のように給付日数も多い…)。
ところで、失業給付とは「安定した生活を送りつつ、1日も早く再就職ができるよう…」(前記パンフレットより)現金が給付されるものです。具体的な金額で言うと、退職日迄直近の平均の賃金額をベースにしておよそ5~8割(賃金が低い人ほど割合は高い…)とされています。
これを日額単価(基本手当日額)として、失業していた日数をかけた金額が4週に1回ある認定のたびに支払われるのです。例えば、給料20万円の方の手当日額は約4,800円になるので、4週間(約一月)分だったら13万円ぐらいになる計算です。
一方この失業期間中に臨時の仕事をしたらどうなるかは、本人にとって重要な問題です。
もちろん本格的に再就職すれば失業保険はそこまでとなりますが、アルバイト等で臨時の収入を得た場合は原則として失業保険が調整されるのです。(*詳細は今回省略…)
以前は仕事をしたこと(特にアルバイト等)を届け出ない不正受給の問題があり、新たに就業手当という制度も設けられました…。(調整関係はとても複雑です…)
いずれにしても、退職者へ上記程度の説明は最低限できるようにしたいものです。
〔あとがき〕
今年の冬に気温が低かったせいか、鹿児島では早めに桜が咲き始めています…。しかし、寒の戻りもありそうで、咲き始めた桜がどれぐらい持つかこれから注目?かも・・・
昨年は近所の裏山の桜を見つけましたが、今年は新たな発見があるかどうか……
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