助成金の申請等で必要な3帳簿を作るポイント (小規模・初心者向け) | MaemuLab.log

助成金の申請等で必要な3帳簿を作るポイント (小規模・初心者向け)

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いわゆる雇用関係の助成金等は、要件に該当すればすべての事業主が貰えるものです。
今コロナ対策で話題の雇用調整助成金も含め、申請時に必要な帳簿類のポイントについてまとめます。

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国分・城山公園より

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助成金申請に必要な帳簿のポイントを知る

言うまでもなく助成金とは、事業主(会社等)に対して金銭が支給されるものです。今回話題にする雇用関係の助成金は、同じ現金でも借入とは違って返済不要であり、まるまる使途自由の資金になるものですね…。

その意味でメリットの多い助成金ですが、申請には国の定めるルールに沿っていることが条件と言え、貰うためにはそれなりの事務能力と正確な書類作成が必要です。
特に雇用に関わることなら労働関係帳簿の添付が求められるため、これを間違いなく整備することがポイントになるのです。

今回は初心者向けに必要な帳簿類のポイントをまとめ、雇用調整助成金等をはじめとする労務関係の提出書類として耐えうるレベルを知っていただければと……
代表的なものは「法定三帳簿」と言われますが、それらを小規模企業や初心者向けを中心にまとめてみます。

〔▼雇用調整助成金の最新ページ〕

Screenshot of www.mhlw.go.jp




法定三帳簿の実務ポイントと作り方

労働基準法では、主に労働者名簿・出勤簿・賃金台帳の三つの帳簿の作成を事業主に義務付けています。(正確には出勤簿の直接規定はありませんが、後述します…)

これらを「法定三帳簿」と呼び、労務管理(労働社会保険事務含む)の実務上でも基礎的帳簿として位置づけられています。当然、作成だけに限らず、一定期間の保存をすることも必要です。

※労働基準法より引用(以下同じ)

(記録の保存)

第百九条 使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を三年間保存しなければならない。

これら「法定三帳簿」について、以下に作成する時の基本的なポイントをまとめます。

労働者名簿(ろうどうしゃめいぼ)

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読んで字のごとく、事業所で働く労働者(厳密には経営者等の役員は除く)の名簿ですが、いわゆる従業員名簿と言っても良いでしょう。名簿というと一覧表が浮かびますが、この様式は基本的に1名分1枚(個人台帳式)になっていますね…。

内容としては次の条文中の項目があればよく、必ずしも法定の様式例を使わなければならないわけではありません…。いずれにしても、入社や退社等の都度、作成・記入しておく必要があります。

(労働者名簿)

第百七条 使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。

2 前項の規定により記入すべき事項に変更があつた場合においては、遅滞なく訂正しなければならない。

出勤簿(しゅっきんぼ)

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出勤簿は、上記例の個人ごとに捺印する方式のものやタイムカード・ IC レコーダー等の電子機器で記録されているものがメインと言えます。一部では、パソコン上のエクセルの入力で作成したり、手書きの表に記入したりという運用も見受けられます。

実は上述の通り出勤簿自体は労働基準法では直接定められていなかったものの、2019年の働き方改革関連法の中(労働安全衛生法)で明文化されました。

〔▼安衛法および下記ガイドライン〕

働き方改革関連法の中に、労働時間把握の義務化についての改正があります。 そもそも労働時間の把握とはどういうものか、また改正内容の基礎を簡単...

※「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」より

4労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置

(5)労働時間の記録に関する書類の保存
使用者は、労働者名簿、賃金台帳のみならず、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類について、労働基準法第109条に基づき、3年間保存しなければならないこと。

賃金台帳(ちんぎんだいちょう)

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賃金台帳は、一般的には「給与台帳」とほぼ同義的に呼ばれたり、給与明細書と誤解されたりすることも多いものです。
厳密な「賃金台帳」は、労働基準法で定める様式例があり、定められた事項が記載されている必要があります。

(賃金台帳)

第百八条 使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。

ここでは以前記事にした「ぷち給与計算」というシェアウェアの機能を利用して作成することを一つの選択肢としておすすめします。

〔▼紹介記事〕

以前の記事で、手書からパソコンでの給与計算に移行するおすすめをしました・・。 今回は初心者向けに、無料で使える給与計算ソフトを例にした注意...

大事なのは基本ルールを抑えて作ること

基本にこだわるなら、一応確実なのは労働局等が提供している様式を使うことでしょう。
その他、「これに準じた」実務で使いやすい様式を使うのが一番のおすすめになります。

大事なのは、法令等の必要な水準を満たしつつ日常の労務管理にも使えることだから…。ある程度のアレンジをしてでも、最初はできる限り実務に沿ったシンプルなものがいいと思いますし…。

最近はインターネットからのダウンロードや様式例も入手できますので、以下にシンプルで確実な一例をあげておきます。

〔宮古労働基準監督署:様式例パンフレットへのリンク〕

https://jsite.mhlw.go.jp/okinawa-roudoukyoku/library/okinawa-roudoukyoku/04rouki/houteichoubo.pdf

全4ページで、帳簿の記入例あり。

もちろん、これ以外にもネット上や個人的に入手したものなど様々な例があるでしょう。考えられる個人的な入手方法は、以下があるかと・・。

  • 役所(労基署等)でもらう
  • 専門家(士業等)にもらう
  • 知人(経営者等)にもらう
  • その他(法令様式を購入等)
  • 自作する(自己流は程々に)

気をつけたいのは、「あまりに自己流」のものは適さないことが多いことかと・・・
いずれも、社労士等の専門家にチェックしてもらうと安心でしょう。(就業規則ほど高い必要性はないですが…)
助成金申請を前提にした代表的な3帳簿の作成について、ポイントをまとめてみました。

文中にもあるように、本来これらは人を雇用するときには備え付けなければならないものであり、日ごろから作成しておくべきものです。
今後も見据え、今回のような基本的なポイントを抑えたものを活用いただければと……

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国分ハイテク展望台にて

〔あとがき〕
コロナ対策の関係で助成金関係も(間接的ですが)触れる機会が多くなっています。今回は帳簿という切り口ですが、こうした不測の事態に対応できるよう普段から準備しておきたいことの一つですね…。
最近、顧客の給与計算をサポートする機会があり、同様に痛感しているところです。

近頃の Good & New
・ミカエル堂(パン)


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