先週、いよいよ『働き方改革』関連法が参議院で可決され成立しました…。
当ブログなりの視点で、中小企業等の取り組みについて勘どころをまとめてみます。
いわゆる働き方改革関連法案が、先日6月29日に国会(参議院)で可決成立しました。
思い返せば、昨年度から成立に向け審議されていたので「ようやく」というところ・・・
ニュースリンク:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO32398980Z20C18A6MM0000/
成立の経緯やその是非はともかく、どんな内容になっているかリスト的に簡単に・・。
大きな区分としては次のような項目にまとめられます。
1の残業時間の上限規制が、今回の中では実務上の影響が大きいものと言えるでしょう。
加えて、4その他の中で年次有給休暇の付与義務と時間外割増率も気をつけなければいけません。それ以外は、該当する企業は検討する必要があると言えるかと……
2の同一労働同一賃金も今回の目玉ですので、事前対応期間を考慮した適用時期となっています。
3の高度プロフェッショナル制はニュースで話題になっている一方、小さな会社にはほぼ影響はないかと・・・
鹿児島空港・展望デッキにて
上記で小さな会社に影響あるとものとした1,4は、主に労働基準法関連になります。
今後、順次に義務化(罰則付き)されることから、対応の勘どころをまとめましょう。
まず1つ目は、時期的に一番最初になる(31年4月~)年次有給休暇付与の義務化です。
従来は原則として本人からの申出が前提だった年次有給休暇が、年5日(ただし、年10日以上付与される者で、5日を下回る部分に限る)は事業主側が時季指定して付与するようにしなければいけません。
そして2つ目は、やはり長時間労働解消の問題(中小企業はR2年4月~)でしょう。
今回の改正では、36協定こと時間外・休日労働協定上の延長時間の上限が法律で明確に定められました。これまで行政指導上の基準扱いだったですが、改めて罰則付きの条文化がされたのです。
つまり、残業が多い会社の場合はより注意深く協定を結び、運用する必要があります。
それ以外にも、残業代の割増率(月60時間超えは50%以上)が中小企業でも35年度から適用されることに・・。
次項に挙げる同一労働同一賃金や他の関係法を含め、適用時期を表にすると以下のとおりです。
大企業 | 中小企業 | |
年次有給休暇消化の義務化 | 31年4月(2019.4)~ | 31年4月(2019.4)~ |
時間外労働の上限規制 | 31年4月(2019.4)~ | R2年4月(2020.4)~ |
改正パートタイム労働法等 | R2年4月(2020.4)~ | R3年4月(2021.4)~ |
勤務間インターバル制(の促進) | 31年4月(2019.4)~ | 31年4月(2019.4)~ |
※参考:中小企業とは…(中小企業庁FAQより)
さて、いわゆる同一労働同一賃金は、法令上パートタイム労働法等の改正が中心です。
従来の短時間労働者に有期雇用労働者を加えた、拡大版パート労働法の改正となります。中小企業への適用は2021年(令和3年)度からとなっています。
既に昨年度から、「同一労働同一賃金ガイドライン案」という形で考え方(手当の支給や休暇制度等の待遇差への対応等)が示されていました。この「案」がはずれ、文字通りにガイドラインとして企業に義務付けされることになりますね…。
本来は「同じ仕事には同じ賃金を…」という考え方なのですが、『働き方改革』では非正規雇用労働者の待遇改善が主な目的となります。
適用はまだ先ですが、各企業内で事実上の対応期間に入ったと考えて良いでしょう…。
内容として、非正規雇用労働者に限らず正社員等を含めた賃金制度の見直しや人事制度等の検討が必要になり、一定の(自主的な対応を含む)時間が必要と思われるからです。
以上、小さな会社の働き方改革対応は、主に労働基準法改正と同一労働同一賃金(パートタイム労働法等)への対応が大きな柱になることをまとめました・・。
それぞれに詳細な内容等もありますが、成立した『働き方改革』関連法がどんな内容で、小さな会社はどんな対応が必要なのか、ひとまず知っていただければと……
霧島市隼人・浜之市港にて
〔あとがき〕
今回、当ブログとしては珍しく法改正についてのまとめを・・。今年度の関連事業に私自身も関わっており、その意味で情報をまとめやすかったこともあります。
今年は少し早めの年更、次の算定を目指したいところ…、暑さが本格化する前に。
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